Web担当者のための一歩先行くWeb講座 第12回

Webサイトの成果を証明するには?

何がWebサイトの成果なのか?

「Webサイトで製品の紹介をしているが、成果があるのか無いのかわからない。調査するよい手法を教えて欲しい。」こんな問い合わせをいただくことがあります。こういう時は、逆にこちらから質問します。「あなたのWebサイトの目的はなんですか?」「Webサイトに何を求めていますか?」

Webサイトで商品を販売するECサイトなら話しは早い。成果の大きさは、売上ではっきりわかります。しかし、そんなWebサイトばかりではありません。Webサイトでは契約が完結しないサービスや、あくまでの自社製品の情報を提供する場合、何をもって成果を証明したらいいのでしょうか。

例えば「新しい製品が出たことをお知らせしたい。」「自社の製品の機能を詳しく説明したい。」「リアル店舗の紹介をしたい。」「製品を買った人に使い方を教えたい。」そんな目的でWebサイトを運営している場合です。

Webサイトでは「情報掲載」「資料請求」「お問い合わせ」「アンケート」などの実施が考えられます。いずれも、成果となるのは、次のアプローチのために、ユーザーの連絡先を得ることです。それなら、件数を多く集めれば「いい成果」という結論に至りがちだが、そう単純にはいきません。

Webサイトで新製品の情報を掲載しアンケートに答えてもらった。プレゼントを出したので、たくさんの回答が得られた。ほとんどの人が「商品を買いたい」にチェックをしていたので、発売時に、お知らせメールを出したが、まったく売れない。あげく、ユーザーから「登録した覚えがない。二度と出すな」とクレームがきた。それでは、結局、成果が上がったと言えるのでしょううか?

「成果目標」と「評価基準」を決める

企業サイトには、一定期間内で実現可能な成果目標が必要です。そして、ビジネスでWebサイトを活用する以上、達成するべき成果と呼べるのは、会社の利益に結びつくこと以外にはありません。

たとえば「サイトに来たユーザーに対して、営業がアプローチしたい」なら、取得件数が少なくても、見込みある顧客の比率が高いリストが役に立ちます。プレゼントなどで、やみくもに件数を集めるのではなく、むしろ、インセンティブが少ないのに、お問い合わせしてくるユーザーにこそ、素早く対応するべきです。

「自社製品を利用するユーザーをサポートしたい」なら、サイトの情報を豊富にして、直接かかってくる「電話の数を減らす」のが成果になります。オペレーターの人数を削減したり、社員の手間が減って、業務が効率化することで利益が出るからです。

多くの企業サイトは、さまざまな目的を持って作られています。しかし、目的が違うと、当然、その結果として求めるものが異なります。成果を把握するためには、目的に応じた基準づくりが欠かせません。

「成果目標」無しに、サイトを運営するのは、行き先を決めずに歩き出すようなものです。趣味の散歩ならそれも一興だが、結局「今日はよく歩いた」という自己満足しか得られません。企業サイトがビジネスである以上、成果が求められます。初めはどんな小さなものでもいいから、「成果目標」と測定可能な「評価基準」を決めること。それがWebサイトの成果を証明する第一歩になるのです。