Web担当者のための一歩先行くWeb講座 第21回

Webサイトの成果を「見える化」する

Webサイトのことを社内で理解してくれない

「Webサイトがビジネスに貢献していることが社内で認識されていない…」そんな悩みを抱えている担当者も少なくありません。担当者は日々、成果を上げるためにコンテンツを作り、サイトを更新して新鮮に保ちます。その甲斐あって、来訪者数も資料請求数も増えて、数字に現れる成果も上がってきました。しかし、そのことがあまり周りには理解されないことが多々あります。コンテンツ制作のために協力を依頼しても「他の業務が立て込んでいて…」と反応が悪いことも…。

「こんなに役立っているのに…」という担当者の呟きに反して、どうして社内で理解されないのでしょうか?それは、Webサイトの成果が社内に十分に共有できていないからです。担当者からすると、必要があればデータを提供しているし、上司にも報告しているので、十分と思うかもしれません。しかし、その情報だけではうまく伝わらないのです。

担当のあなたは、今、Webサイトがどういう状況なのか?施策に対して成果が出ているのか、いないのか?アクセス解析ツールを駆使して、細かくレポートしていると思います。しかし、多くの関係者にとって、アクセス解析の数字を見せられても、よくわからないのです。

サイトのセッション数や直帰率、コンバージョン率など、担当者にとっては常識の数字でも、周りはそもそも言葉の意味がわかりません。毎月レポートを出していても、以前より上がったのか、下がったのかわかりません。さらに、その数字がどうなったら成果が出たと判断できるのか?そういった判断基準も持っていません。

どうすれば、伝わるのか?

伝わらない原因は、レポートの作りにあります。そもそもサイトの事細かな情報は、サイトの運営管理をする担当者以外には必要ありません。難しい数字は見なくていいから結論だけを知りたいのです。目標に対して、達成したのか、達成できていないのか?出来ていないなら何が原因で、どうやって改善ようとしているのか?結果と次のアクションをてっとり早く知りたいのです。

読んでもらうためにはWebサイトの数字を網羅した分厚いレポートではなく、1~2ページ程度で項目を絞ったシンプルなレポートを作成するべきです。数字を並べるのではなく、端的に結果が「良い」のか「悪い」のか、成果が数字にどう表れているのか?それを誰でも一目でわかるように作るべきなのです。そして、担当者はアクセス解析で得られる数字そのまま見せるのではなく、その意味を翻訳して「ビジネスにどう貢献しているのか?」を伝えるのです。

さらに、できる限りリアルタイムに情報を共有してください。施策のフィードバックが早いほど、周囲もサイトの成果を実感しやすいからです。そのためにはレポート作成をフォーマット化し、ルーチンワークとして運用業務に組み込んでしまうのが良いでしょう。自動化してしまう仕組みができれば、さらに効率的に情報共有できるでしょう。このような地道な啓蒙活動が、Webサイトの価値を社内に伝え、協力者を増やすことにつながるのです。