Web担当者のための一歩先行くWeb講座 第24回

Webサイト外の表示にもこだわりを持つ

検索結果は意図通りに表示されているか

Webサイトに訪れる大多数のユーザーが検索エンジンを経由するのは間違いありません。だから検索結果のページで、Webページの内容を適切に伝えなければ、思うようにクリック率は上がりません。検索結果の順位だけでなく、自社サイトがどのように表示されているか把握しているでしょうか?

検索結果のリンクは、HTMLのヘッダーに記述される「タイトル(title)タグ」のテキストがそのまま表示されます。だからタイトルにはページへの興味を惹いてクリックしたくなるようにしなければなりません。しかし、タイトルタグはページには表示されないためか、キーワードを機械的に入れただけの無頓着なWebサイトも散見されます。

さらに、HTMLのヘッダーには、他にも結果画面に影響する記述があります。それは「メタ(meta)タグ」と呼ばれるタグです。ページに関する情報(メタ情報)を指定して、 ブラウザや検索ロボットに知らせるためのタグです。タイトルタグ同様に内容はページには表示されません。

複数あるメタタグの中で「ディスクリプション(meta discription)」は、ページの説明を記述するためのタグです。この内容が、検索結果として表示されることが多いので、ページの内容について簡潔にまとめておく必要があります。表示に有効な文字数は120字程度、それ以上は表示されず、途中で切れてしまいます。

ソーシャルメディアの表示は適切か

ユーザーのソーシャルメディア(SNS)の利用が増え、多くの企業が対応を進めています。沢山の情報が溢れるSNSの中で、効果的に情報を拡散するためには、いかにユーザーの目に止まるようにするかが重要になります。

SNSの公式アカウントを持っていれば、象徴となるアイコンや、SNS上の公式のアイコンやメイングラフィックは、きちんと設定していると思います。しかし、自社Webサイトでは、製品やニュースのページにtwitter向けの「ツイート」やfacebook「シェア」といった「共有ボタン」を設置しただけで終わっていることが多いと感じます。

例えば、その記事を見たユーザーが「シェア」をした時に、ユーザーのタイムラインに表示されたときに、どのように表示されているか確認しているでしょうか?適切に自社のサイトだとわかるように表示されていますか?

自社のサイトは、タイトルと本文が途中まで表示されている、サムネイル写真も記事と関係無いという状態になっていることがよくあります。これではせっかく「シェア」されても内容が適切に伝わりません。それに対して、わかりやすく内容が説明されていて、きれいな画像が表示されている他社のサイトは何が違うのでしょうか?

タイムラインの表示を最適化する方法

投稿一つ一つを適切に表示するには、SNSサイトの設定ではなく、自社Webサイトで行います。検索エンジンと同様に「metaタグ」で記述します。

SNSの表示では「OGP (Open Graph Protocol)」と呼ばれるfacebook、mixi、GREEなどのSNSで使われている共通の仕様があります。facebookを例にすると、ページのURL、ページタイトル、ページの内容説明、サムネイル画像が表示されます。

例えば、以下のように記述しておきます。
<meta property="og:title" content="ページタイトル">
<meta property="og:image" content="サムネイル画像">
<meta property="og:url" content="ページの URL">
<meta property="og:description" content="ページの内容説明">

こうしておくことで、SNSでシェアされたときに、ページの内容を正確にわかりやすく伝えることができます。サムネイル画像は特に効果が高いですが、全てのページにユニークな画像を、用意するのは大変です。サイト共通でロゴやアイコンのような、デフォルト(標準)画像を設定しておくと運用しやすくなります。

SNSでやりとりされるは情報は玉石混交です。発信元が良くわからない、信憑性が疑わしい情報や、悪意を持った攻撃を受ける可能性もあります。ユーザーも出所が怪しい情報ではなく、発信元である「公式」の情報を探す事が多いのです。だからこそ、ブランドを守るために、Webサイトの情報が、公式として適切に伝わる「表示最適化」が必須です。

SNS対応は将来の企業に対するイメージを左右するといっても過言ではありません。Webサイトの情報発信が、インターネットの中でどのように表示され伝わるのか、その全体の仕組みを理解し、きめ細かく対応していくことが重要なのです。